日本では過去最多を記録...世界的に止まらない”不登校増加”とその理由

不登校_ホームスクーリング
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近年、米国、欧州、日本、韓国などの地域では「不登校」の増加が“社会課題”として浮かび上がっています。各国の教育制度や文化的背景は大きく異なりますが、子どもたちが学校に通わなくなる要因には共通点も多いとされています。

先進国における不登校増加に共通した要因のひとつに「精神的健康問題の深刻化」が挙げられています。コロナ禍を経て、若年層うつ、不安障害、孤立感が増加しているとされます。またSNSの拡大により比較やいじめのリスクが強まり、学校生活にストレスを抱える子どもが増えているとされます。

「学校制度と個性のミスマッチ」も不登校が増加する理由のひとつとして注目されています。画一的な授業スタイルや学力偏重の評価基準、厳格な規律などが、個々の学習スタイルや発達特性に合わなくなっているケースが顕在化しています。特に発達障害や学習障害のある子どもは、支援が十分でなければ登校が困難になりやすい傾向にあります。

その他にも共働き世帯の増加、地域コミュニティの希薄化、貧困や移民による「家族・社会の変化」も見過ごせません。そしてオンライン授業や学習アプリの整備など「テクノロジー環境の変化」も不登校を加速させています。

日本の不登校児童生徒数は約34万6482人となり過去最高を記録しました。日本では不登校の主な理由として「いじめや人間関係」「学業不振」などがイメージされがちですが、文部科学省の調査では、約半数が「無気力・不安」がその理由と公表されています。そして、その具体的な原因についてはほとんど解明されていないのが実態です。

米国では「chronic absenteeism(慢性的欠席)」が深刻化しており、「地域格差の拡大」「貧困」に加え、ホームスクーリングやオンラインスクールなど「多様化する学びの選択肢」が不登校増加の理由と指摘されています。一方、英国、イタリア、スペインなど欧州では「移民家庭の増加と適応問題」も不登校が拡大する要因のひとつとして注目されています。

なお隣国・韓国は日本同様に教育競争が激しい国です。同国は過度な学業負担、塾や家庭教師を含む「私教育文化」が強く、学習へのプレッシャーが大きいです。一方、いじめ・校内暴力が社会問題化しており、不登校の主要因となっています。昨今ではオルタナティブスクールが増えつつあるものの、制度的支援は限定的。「日本型」と「米国型」の要因に加え、競争社会のストレスが不登校を助長しているとされています。

各国の状況を俯瞰的に捉えると、「子どものメンタルヘルス悪化」「画一的な学校文化」「多様な学習スタイルの排除」「家庭・社会のサポート不足」、デジタル化による「学校以外の学びの選択肢拡大」などが共通した課題が浮き彫りになってきます。

不登校という現象を“悪”と決めつけるのではなく、いかに客観的に分析できるかが、子供たちのより良い教育環境構築につながっていくでしょう。

(EDICURIA編集部)