
アイルランドでは、ホームスクール児童数が徐々に増加。現在、2499人の児童が正式にホームスクーリングを行っていると報告されています。まだまだ少数派であるものの、専門家や現地メディアはその増加について特筆すべき現象だと注目しています。
アイルランド共和国憲法(Bunreacht na hÉireann)は、第42条で家族を子どもの「第一の、そして生まれながらの教育者」と認めています。この原則により、親は公立学校、私立学校、家庭内など、子どもの教育方法を選択する権利を保障されてきました。現在、アイルランドは、ホームスクーリングが制限されているドイツや、戦争で学校教育が中断されているウクライナの家庭も惹きつけていると言われています。
アイルランドでは、健康状態、特別なニーズ、哲学的な理由などでホームスクーリングを選択する家庭があります。コロナ禍以降、その児童数は1507人から2499人まで増加しました。変化の背景として、テクノロジーも重要な役割を果たしているとされます。オンラインプラットフォーム、バーチャル家庭教師、デジタルカリキュラムなど普及により、ホームスクーリングはより身近なものとなりました。児童は孤立することなく、多くの家庭が地域の協同組合やオンラインネットワークを通じて繋がり、リソースを共有しグループ活動を企画しています。
アイルランドには子供・家族庁(通称:Tusla)が運営する代替教育評価登録サービス(AEARS)があります。同国ではホームスクールの権利を保障する一方で、「道徳的、知的、そして社会的な最低限の教育」を子どもたちが受けられるようにする義務も課しています。その権利と義務のバランスを保つ作業を、TuslaがAEARSを通じて監督しています。
ホームスクーリングの申請書がAEARSに受理されれば、各家庭はホームスクーリングを開始できます。また「2000 年教育 (福祉) 法に基づく第 14 条」に基づき登録申請する法的義務があります。それら評価は「認定学校以外の場所における教育の評価に関するガイドライン」に基づいており、読み書き、計算能力、学習分野の幅広さとバランス、児童の情緒面、身体面、道徳面の発達に重点を置いています。アイルランドではホームスクーリングは法的に保護されていますが、しっかりとした規制によって監督されている状況です。
アイルランドにおいて学校教育に代わる選択肢を検討する家庭が増えるにつれ、国内における議論は「なぜホームスクーリングをするのか?」から「ホームスクーリングをする子どもたちをどのようにサポートできるのか?」に移りつつあるとされています。また政府が「許可を与える」だけでなく、いかに「必要なツールを提供できるか」という点にまで課題認識が広がっているとされています。
(EDICURIA編集部)