
ホームスクーリングの多様なメソッド&アプローチ
米国や英国などの国で増加傾向にあるホームスクーリングは、その教育メソッドや実践方法も多様化を遂げているとされています。伝統的なアプローチ、オンライン学習、あるいはその両方を組み合わせた多様な教育アプローチが存在します。同記事では、ホームスクーリングの代表的なメソッドや実践方法をご紹介します。
古典教育法
古典教育法は「トリウィウム」(文法、論理学、修辞学)に重点を置いた厳格かつ伝統的なカリキュラムです。文学や歴史、哲学などにおける古典作品の研究を重視します。長年にわたり実証されてきた知能発達に根ざした教育モデルを重視する家庭では、この古典教育がよく採用されています。
モンテッソーリ教育法
ローマ大学最初の女性医学博士であるマリア・モンテッソーリの教育哲学に着想を得たモンテッソーリ教育法は、主体的な学習と実践的な活動、子どもたちの自立心にフォーカスしています。創造性と体験学習を重視した学習環境を通して、子どもたちが自分のペースで多様な事柄を探求できるように促す教育法です。
教科書ベースの教育法
従来型のホームスクールのほとんどは、公立学校や私立学校と同様に、教科書に沿った授業計画などカリキュラムが用意されています。同学習方法は、体系的な学習方法であり、自分のペースで個別レッスンや課題に取り組むことを好む生徒に適しているとされます。
アンスクール
アンスクールとは定められたカリキュラムではなく、子どもの自然な興味や探求心に基づいて学習を進める主体的な学習アプローチです。体系的な授業よりも発見を促す傾向が強く、遠足、ライフスキル、自己発見といった体験学習を重視します。
シャーロット・メイソン
ホームスクーリング運動の創始者として知られる、シャーロット・メイソンにちなんだ教育メソッドです。同メソッドでは、自然観察、詩の暗記、日記の書き方、クラシック音楽の鑑賞、「サークルタイム」や「モーニングタイム」と呼ばれる時間に聖書や詩の朗読を通じて学習します。学問的な知識と信仰心を学び、健全な人格を育むことを目指します。
エクレクティック・ホームスクーリング
同メソッドは複数のテクニックを組み合わせたメソッドで、エクレクティックは日本語で折衷を意味します。親が子どものカリキュラムを構成するトピックを自らの判断で選択します。
ハイブリッド・ホームスクーリング
特定の科目や活動に関しては従来の学校に通い、その他の教育は自宅で行う教育メソッドです。柔軟性が高く、従来の学校教育の一部の恩恵を受けながら、自らの興味・関心を中心に深く学習を進めることができます。
オンライン・ホームスクーリング
海外では完全オンラインの学習プログラムを提供する組織・団体も増加しています。生徒児童が自宅で受講できる包括的なカリキュラムを提供し、生徒自身のペースで進められる課題を組み合わせたり、デジタル学習ツールやリソースを活用することを特徴とします。
ホームスクーリングに関するメソッドの多様性は、日本の教育環境に課題を感じている家庭にとって参考になるはずです。
(EDICURIA編集部)