米州で進む教育テック企業の”承認”...IIP&ホームスクーリング生徒の受け入れ加速か

outschool_ホープスカラーシップ
出典:公式サイト

カリフォルニアに拠点を構えるオンライン教育テクノロジー企業・Outschoolが、ウェストバージニア州の学校バウチャープログラム「Hope Scholarship」(以下、同プログラム)の受給資格を獲得したことが報じられた。

Outschool は、1年生から12年生までの生徒を対象に、英語、数学、社会科などの少人数制クラスのプログラムを提供している。また音楽、プログラミング、外国語のコースを選択科目として用意している。

ウェストバージニア州の財務官であるラリー・パック氏は、今回の受給資格獲得について「個別指導計画(IIP)の生徒にとって大きな意味を持つ」とした上で、特にホームスクーリングを行っている生徒を、さらに数千人規模で受け入れられることになるとリリース上でコメントしている。なおIIPとは、障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応するために作成される計画を指す。

同プログラムは、全米で最も幅広い教育バウチャー制度のひとつだ。保護者はホームスクーリングの教材費や、州内外の私立学校やマイクロスクールの授業料に同奨学金を充てることができる。ウェストバージニア州の多くの家庭は、州内の私立宗教系学校の授業料を補うために同プログラムの奨学金を利用しているとされる。

現在、同プログラムの対象者は幼稚園に入園する生徒と既に公立学校に在籍している生徒となり、2025年には約1万9000人の生徒の利用が見込まれている。そして2026年度からは、同州のすべての生徒が対象となり、奨学金の額は約5200ドルになると予想されている。

一方、Outschool が推奨する料金プランは月額 70 ドル。週平均 2 回のグループクラスに奨学金を充当することができる。資格を有する家族は、同プログラムの資金を使用して、Outschool のラーニングパスポートという商品を購入可能となる。

なお共和党が主導するウェストバージニア州議会は、教育選択と同プログラムを概ね支持している。ただ公立学校が財政難に陥るなかで、同制度の費用が急騰していることに懸念を抱く議員もいるという。また教師のための公務員保険制度も財政難に陥っているという。

(EDICURIA編集部)