オーストラリアでも増加するホームスクーリング。親の話題は費用と規制

ホームスクーリング_オーストラリア
Photo by City of Gold Coast via unsplash.com

オーストラリアでは、2024年にホームスクーリングを選択した児童の数が約4万5,000人と推定されています。ゴールドコーストで有名なクイーンズランド州では、ホームスクールの登録数が4年間で2倍以上に増加。2020年に4,297件だった事例数は11,314件まで激増しています。小学校の学年では3,082人(122.2%)増加、中学校学年では3,935人(221.7%)増加となっています。

オーストラリアでホームスクーリングを実施する親の間で話題となるのは、費用の問題です。オーストラリアでは現在、公立学校に通う子供を幼稚園から12年生まで通わせるのにかかる推定費用は123,294オーストラリアドル(約1100万円)とされています。

一方、ホームスクーリングに関して、クイーンズランド工科大学教育学部のレベッカ・イングリッシュ博士は、「費用は親が支払ってもよいと思う金額までしかかからない(中略)ただ片方の親が(教育のため)仕事を辞める必要が生じる可能性もある」とメディア取材に対して答えています。

ホームスクーリングを支持する層は、州や地域ごとに異なる規則は対応が困難であり、全国的に統一された方針を望んでいると報じられています。非営利団体・ホームエデュケーション協会のティナ・スミス氏は、ホームスクールに対する要件が州ごとに異なり、多くの親にとって「課題」になっていると指摘しています。例えば、仕事の関係で州をまたぎ引っ越した後に、まったく異なる規制があることを知る親もいるとのことです。

2024年にはクイーンズランド州の家庭教育規制当局の報告書が発表され、高リスクな家庭環境で暮らす児童に対する監視強化を求める声が高まり、「コミュニティ連絡役」や家族への追加支援など8つの勧告が出されました。

ニューサウスウェールズ州と西オーストラリア州では、すでにホームスクール家庭への家庭訪問を実施しています。ホームスクーリングを実施するある家庭では、移住後の書類理解に訪問が役だったとしており、クイーンズランド州でもコミュニティ連絡役が採用されることを支持しています。

(EDICURIA編集部)