英国でもホームスクーリングを受ける子供の数が増加傾向

英国_ホームスクーリング
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英国でもホームスクーリングを受ける子供の数が増加傾向にあるとされています。英国教育省(DfE)が発表した統計によれば、2023年秋時点でホームスクーリングを受けている英国の子供の数は9万2000人で、2022年秋時点の8万900人より増加した結果となりました。

ホームスクーリングを選択した主な理由に、「精神的な健康」を挙げた親の割合は9%から13%に増加しています。一方、教育哲学やライフスタイルを理由に挙げた親は24%を占めており、宗教(1%)やいじめ(3%)も理由として挙げられました。なお残りの40%は理由不明とされています。

英地方当局の推定によれば、2022~23年には12万6000人の子供がホームスクーリングを受けており、この数は前年11万6000より1万人程度増加した数値となります。英国の有識者は、特殊な教育に対するニーズ、学校に対する不安、その他精神的問題が、ホームスクーリングの増加に繋がっている点を憂慮すると発言しています。

英国教育省は、学校に登録せず「不適切な」教育を受けている学齢期児童を対象にした新しい分類「教育脱落児童」(CME:Children missing education)に関する統計も発表しています。

2022-23学年度には教育脱落児童が11万7000人を記録しましたが、これは前年度の9万5000人を上回る数値となりました。

英国教育省は教育脱落児童について「学校に登録された生徒ではなく、学校以外では適切な教育を受けられない児童」と定義しています。CMEには学校への入学を待つ待機児童、不適合な教育を受けている子供、また地方当局が適切な教育を受けられるよう支援している子供たちも含まれます。

2023年秋を基準にした調査時には、教育脱落児童の約20%は国外に引っ越したり、他の地方当局に引っ越した結果として発生したとされており、23%は学校への入学を待つ待機と関連がありました。一方、約44%は他の理由で発生していますが詳細な記録がありません。事例のうち6%のみが「不適切な家庭教育」によるものだとされています。

(EDICURIA編集部)