米国で運営されるチャータースクール(Charter School)とは

チャータースクール
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米国にはチャータースクールという教育機関があります。チャータースクールは、保護者、教員、地域団体などが、州や学区の認可を受け設置する公費運営の学校です。政府の財政支援によって運営されていますが、一般公立学校とは異なり、教育当局の各種規定・規制に縛られず自律的に運営されているという特徴があります。

チャータースクールには、能力や経歴を認められた教育者、教師、コミュニティ指導者で構成されたグループなどが新設する「スタートアップ」、既存の公立学校から転換する「コンバージョン」の2種類があります。

チャータースクールは公立学校であるため、生徒たちから学費を受け取りません。基本的に居住地域と関係なく、すべての学生に門戸が開放されています。また教育の平等権を追求する目的で設立されているため、宗教、性別、人種、能力による入学時の制限がないのが一般的です。ただ一部、定員オーバーによる抽選や、運営方針により居住地域中心の制限が設けられていることもあります。

チャータースクールの長所と短所

チャータースクールの長所としては、学校教育者、教師、保護者に直接的な運営権を与えることで、各地域の特性を生かした教育哲学を打ち立てることができる点です。また公立学校のシステムに縛られていないため、教育課程運営において身動きできる幅が広いとされています。例えば、革新的な授業方式や学生指導方針などに対して、より迅速な採用および意識決定を下すことができます。

一方で、チャータースクールのほとんどは学生数が少なく、学校の規模も小さいという短所があります。一般公立学校に比べて、キャンパスが狭いケースがほとんどだそうです。 一部チャータースクールは、街の商店街などを借りて運営されているケースもあるとされます。そして放課後プログラムやAPクラス、オナークラスなどの不足も短所として指摘されています。

またチャータースクールでは、公立学校のようにすべての教師に対して資格を要求していません。一部のチャータースクールの教師は、教育学を専攻していないケースもあります。 加えて伝統的な公立学校に比べ教師の待遇が良いとは言い難く、結果として教師の転職が頻繁に起こるチャータースクールも多いとされます。教師の定着率の低さは、生徒たちにネガティブな影響をおよぼす短所のひとつとして指摘されています。

(EDICURIA編集部)