
年齢とともに感じる「体づくり」の大切さ
子どもたちの成長を見守るなかで、年齢が上がるほど「体づくり」の重要性を痛感しています。小さい頃から運動する習慣を身につけてもらいたい――。そんな思いで日々子育てをしています。特に小さいうちは、勉強よりも「体を動かすこと」が大切だと考えています。
実は私自身、子どもの頃は体育が大嫌いでした。体育の成績はいつも「2」。真面目に参加していなければ「1」だったかもしれません(笑)。ドッジボールなんて本当に苦手で、授業のたびに憂鬱でした。しかし大人になって気づいたことがあります。それは、運動神経の良し悪しではなく、「体を動かすこと」そのものが大事だということです。運動することで心も体も軽くなり気分転換になるという感覚を、子どもたちにも味わってほしいと思っています。
運動は楽しさを重視
我が家では「運動神経を鍛えよう!」とビシバシ追い込むようなことはしていません。その代わり、「運動すると頭がスッキリする」「体を動かすって楽しい!」と感じてもらえるように工夫しています。暇さえあれば、外に連れ出して遊ばせるよう心がけています。
私の友人で、現役整形外科医の本松雅美先生という女医さんがいます。先生はこれまで、子どもの運動不足や運動嫌いを解消するための情報発信を行ってらっしゃいました。先生によると、子供は1日60分、1週間で420分以上体を動かすことが必要だそうです。ここには通学時間も含まれます。「運動=激しいスポーツ」ではなく、例えばデコボコした道を歩くだけでもバランス感覚を養い、運動神経の発達に役立つとのことです。
以前、家族でキャンプに行ったとき、川原で子どもたちが石を渡りながら遊んでいました。デコボコした足場でバランスを取りながら歩くその姿を見て、「これも良い運動になったかな?」と少し期待してしまいました。自然の中で遊ぶことは、楽しいだけでなく、体づくりにも一役買ってくれると改めて感じました。
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- 保田典子
筑波大学医学専門学群卒業。小児科医として国立病院などで診療にあたり、小児循環器を専門に経験を積む。その後、発達障害児を多数担当するようになったことで「子どもの心相談医」の資格を得る。2021年4月、高円寺駅そばに高円寺こどもクリニック開業。