
もうすぐ春休みですね。休みに入ると元気になる子、特に変わらない子、疲れがでて体調が崩す子など様々でしょう。休みになったらぜひ挑戦したいことが「旅」です。遠くなくてもいいです、泊まらなくてもいいです、ちょっとした非日常を感じられて現実からふっと解放される体験ができる旅をするのは心身共にとても良いです。くなくてもいいです、泊まらなくてもいいです、ちょっとした非日常を感じられて現実からふっと解放される体験ができる旅をするのは心身共にとても良いです。
子どもの身体&心理におよぼす旅のメリット
生活リズムが整うことが多い
旅行でも、親戚の家に泊まるでもそうですが、昼夜逆転している子でも朝起きられたりすることが多くあります。帰ってきたらまた元にもどることも多くありますが、そのままいいリズムで生活が整う子もいます。またもどっちゃったけど、少しだけ起きる時間が早くなった、という子もいて、その場限りではない生活リズムを整える効果が見込めます。
体力づくり
家からほとんど出ないと運動不足になりますが、旅はある程度動くことが多いため、運動するという意味でも良い効果があります。車で移動するだけにしても、家にいるよりは体力を使うでしょう。日光に当たるという意味でも体力によい効果をもたらします。
計画力がつく
子ども自身が行きたいところを目的とする旅行であれば、ぜひ子どもに旅程を組んでもらいましょう。交通手段、もし公共交通機関を使うとしたら何時の電車に乗るか、車なら何時出発か、目的地の滞在時間はどのくらいで、どこに泊まって(ホテルなどは親が決めていいでしょう)、○日目はどこに行って、何時ごろ帰宅するか、などです。今はネットでローカルなバスの時刻表なども調べることができます。はじめは親が手伝ってあげて計画を立てていきますが、旅の回数が増えてくれば自分ですべて計画できるようになることもあります。
コミュニケーション力がつく
旅の計画、旅の途中、旅の食事中など親子の会話をする機会が増えます。旅先で人と話す機会がある旅であれば、そこでも人と話す機会が持てるでしょう。ホームスクールの子は人と話をする機会がへりがちではあるので、一言でも話す機会ができるのはとても良い経験になるでしょう。もし、車で桜を見に行って終わった、他人とは話す機会はなかった、でも旅のメリットは多分にありますので、目標を高くしすぎなくてOKです。
反対に度にはデメリットもあります。例えば、家族旅行でそこまで体調を崩す子はいませんが、学校の移動教室に参加した子などは、疲労が強くて数日寝込んでしまう子もいます。非日常体験はある程度疲れるものです。生活リズムが整う子もいますが、数日寝込んで生活リズムを整えるどころではなかった、という子もいます。
また親の立場としては、お金がかかることもデメリットになるでしょう。工夫でどうにでもできることもありますが、子どもが「遠くに行きたい」と言い出して遠方に旅行することになった時は費用がかさむことは少なくありません。現在、インバウンドの影響で宿泊料や食費は値上がりしているので、なかなか大きな旅行に行きづらくなっています。日帰りで花見、とかでもガソリン代などはかかってしまいます。
親の時間がとられるというのも、デメリットのひとつです。子どもがやりたい事がメインの旅行の場合、親は行きたいわけではないのに時間が拘束されてしまうという側面もあるかもしれません。そのような場合は親は無理をせず、親が行きたいところなどもおりまぜたり、2泊行きたいと子どもが言っていても短くしたりと無理ない旅行にしましょう。その交渉もコミュニケーション能力を養うことになります。
はたから見ると家でダラダラしているように見える子どもも、学校に行かなければならないというプレッシャーに苦しみながら生活しています。デメリットも勘案しつつ、少しでも非日常を味わって前向きな気持ちを作れる環境を整えてあげられるといいですね。
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- 保田典子
筑波大学医学専門学群卒業。小児科医として国立病院などで診療にあたり、小児循環器を専門に経験を積む。その後、発達障害児を多数担当するようになったことで「子どもの心相談医」の資格を得る。2021年4月、高円寺駅そばに高円寺こどもクリニック開業。