ホームスクール児童の健康管理「学校の健康診断」も上手に活用

ホームスクールと学校の健康診断
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新年度がはじまり2か月が経とうとしています。4~5月は健康診断など年度初めの計測や健康チェックなど学習ではないことも学校では多く執り行われます。学校の勉強だけではない公衆衛生的な役割を果たす時期です。

ホームスクールを行う子供たちは学習のみならず、その公衆衛生の面においても置いていかれてしまうことが多くあります。お子さんの健康管理などはどのようにしていったらいいのでしょうか?

まずは、在籍校(いわゆる「学区内」の学校)にお子さんはほぼ在籍しているはずです。1回も行ったことがなくても中学までの義務教育の間は形だけでも在籍校があるはずです。それは、文部科学省の管轄にないインターナショナルスクールに通うお子さんも同様に在籍校が基本あります。

健康診断を通常通り実施しない子であれば、在籍校から「健康診断を受けなかったので、校医などで健康診断受けてくださいね」というお知らせが届きます。その紙を持って校医(内科、耳鼻科、眼科、歯科、他に1年生だと心臓健診もあります)に行くと無料で健康診断が受けられます。健診は自費の診療にあたりますので、紙を持っていかないと相応の実費が必要となります。

病気になった時に病院に受診するのとは違い、健診は「その年齢でかかりやすい病気を早期に見つける」という役割があります。健診を受けないリスクも報じられています。

ホームクリーリング児、健康診断の方法

学校健康診断を受けないことでの罰則は特にありません。よって、学校健診の枠の中にこだわることなく健康チェックをしていればいい、という考え方もあります。

学校に少しだけ行けそうなら健康診断の時間だけ登校する

これには、自分のクラスで受けなくてはいけないという規則もないので、他のクラスの健診に混ぜてもらうこともできます。医師が必要な健診は時間が決まっていますが、計測などは放課後でも受けられるので、計測だけでも行くというのも健康診断の一部を実施することができます。

健診を受けなかったお知らせを持って学校医に受診する

お子さんが学校に行きにくい場合で、外出は可能な場合は無料で行えます。

病院に受診している場合は、受診時に相談する

症状がない場合、本来であれば自費での診療になりますが、主治医に相談すれば可能な限りの健診をしてくれる場合があります。歯科に定期的に通っているお子さんは学校歯科医に行かなくてもかかりつけの定期健診で十分だと考えられます。

上記のような方法がありますが、どうしても外出すら困難なお子さんもいます。その時には無理強いをしてしまうと逆効果なこともあるので、決まった日程(一般的には学校健診は4月から6月いっぱいまでです)に行わずに、家で健診の大切さなどを話しながら受診できるタイミングをはかりましょう。

近年では、フリースクールで独自に健康診断を行う取り組みもあります。健康は早期に発見することで治療が少なかったり、治癒できたりする可能性のある病気を見つけるものです。どんな形でもお子さんが健康に過ごす取り組みができるといいでしょう。

  • 保田典子やすだのりこ
    高円寺こどもクリニック院長

筑波大学医学専門学群卒業。小児科医として国立病院などで診療にあたり、小児循環器を専門に経験を積む。その後、発達障害児を多数担当するようになったことで「子どもの心相談医」の資格を得る。2021年4月、高円寺駅そばに高円寺こどもクリニック開業。